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songs(R18)

第31章 ep5 君の特別





「まったく…いっつもどっか抜けてるんさ…は」

「ご、ごめん…」

は申し訳なさそうに俯いた。

(別に怒っちゃいないんだけどさぁ…)


でも、今、彼女と二人きりでいる事に、柄にもなく緊張していた。


初めて逢った時からそうだ…
自分は、ずっとこの少女を見ていた。

自分より幾分か下のこの娘は、人よりも愛らしい顔立ちで、人よりも不思議な雰囲気を醸し出している

自分は…そんな不思議な空気を纏う少女に、惹かれているのだ…



(せっかく専属メイドになったのに…勿体ないさ)


勿体ない、というのは彼女が、専属使用人としての肩書など関係なく、他の使用人達に普段のように接しているからである。

彼女達がに頭を下げると、逆にまでへこへこと頭を下げているのだ。


まったく…飾らない奴め。


だが、そんな彼女にも惹かれている自分がいた。

いっそ、彼女をこの腕にしまい込んでしまおうか。



「ラビ?どうかした?」

顔を上げ、こちらを覗き込む。

「な、何でもないさ!」


ラビは両手を振り、ごまかすように視線をそらす。
不思議そうに、翡翠の瞳がこちらを見つめている。


「さ、早くユウん所行くさ~」

にっこりと独眼が微笑み、促すようにの背中を押した。


「う、うん…」

はまだ、腑に落ちない様子で首を傾げている。


(ラビって…隠し事多いよね…)


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