第30章 ep4 皆が変わる日
―――…
「ユウの事は、諦めたんだ~」
「そう…」
「やっぱりね、自分が一番だって思う人と、結婚したいしねぇ」
クッキーを頬張りながら、ロードは話した。
「まだ12歳なのに、いろいろ苦労したよね…これからは自由になってね」
すると、ロードはにんまりと口端を上げた。
「な、何?」
どきりとして、の声のトーンが少し上がる。
「ユウにも、同じような事言われたんだ。…自由に生きろって」
ティキの煎れたティーを飲み、ロードはの顔を覗き込んだ。
「やっぱり主従関係だったら、考えも似てくるの~?」
意味深げに笑むロード。
「そ、そうかもしれないね…」
苦笑いを浮かべる。
そんな自分より年上の彼女を見て、ロードはつまらなさそうに息をついた。
「もぉ~…って鈍いよね~。そんなんじゃいつまで経っても…」
そう口ごもるロード。
どうやら自分は鈍感らしい…
「で、はユウの事…どう思ってんのぉ?」
「ど、どうって…」
は無意識に顔が赤くなる。
「だからぁ~好きなの~?」
あまりに直球で、は顔を手で隠す。
「す、す、好きだなんてっ…ち、違うよっ」
「やっぱ好きそうじゃ~ん。僕が協力しようか?」
「こらっロード、人にはいろんな事情があるだろ。此処らで退散退散」
ロードを後ろから抱き上げ、ティキは言った。
彼は抗議するロードを抱えながらを振り向いた。