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songs(R18)

第30章 ep4 皆が変わる日





“遊び心だったら…あんなに必死に…他人の為にはしないと思います”

昨日、この少女が言った言葉…

ティキの脳内にはずっと、この言葉がフレーズのように響き続けていた。


(あんたも旦那の事、好きじゃなかったら…あそこまでしないだろうが…)


はぁ…と、ため息をつく。
何故自分が他人の事を思わなければならないのだろう?


(そりゃあ…稀に見る美人だけど…)


そんな女達は山ほど相手にしてきた。
けれど、は他の女達とは違う…何か原石的な輝きがあった。

その輝きが、自分を含め…この屋敷の住民の心を集めているのだろう。



「じゃあな、俺ら帰るわ」

思考を振り払うように、ティキはに背を向けた。

「え…帰るって…?」

「首都の僕ん家~。ユウの事は諦めたから、もう此処にいる必要なくなっちゃったからね~」


ひょいっとティキの肩から飛び退き、ベッドのに歩み寄る。彼女はとても淋しそうに眉を寄せていた。


「また、逢える…?」

にとって、ロードは妹みたいな存在だった。

ロードにとってもは、姉のように思えた。



(人に負けるのって、ちょっとムカついちゃうけど…にならしょうがないって思えるよ)


「うん」


ロードは再びに抱き着いた。


「元気でやりなよぉ~」


他人の事を思ったのは初めてだった。




「うん、ありがとう…ロード…」
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