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songs(R18)

第30章 ep4 皆が変わる日





ガチャ…

「おい馬鹿兎、てめぇあの書類何処にやった…」

仕事中なのか、眉間にシワを刻んだユウがノックもせずに押し入って来た。

というより、此処は元々彼の部屋なのだから、彼がどうしようが関係はない。



「ああ、それならここにあるさ」
と、内ポケットから四つ折にされた紙を取り出すラビ。

「なんでそんな所に入れてやがるっ!」

そんな彼の赤髪を引っ張るユウ。

「痛いっ痛いさユウ~」

涙目で訴えるラビと、それに動じないユウ。

端からその様子を見ているはただただ笑っていた。


「ちっ…こいつが起きたんだ、早く仕事に戻れ」

四つ折の紙を奪い取り、ユウは言った。

「えぇえ~?さっき来たばっかさあ…」


ラビは唇を尖らせた。

「起きるまで、の約束だ。 これ以上病人に構うな、馬鹿」

無情に、ユウは吐き捨てた。

「でもさ~ユウ。だって此処でひとりで寝てたら暇さぁ…」

「わ、私は…別に…っ」


に否定されると、心底悲しそうに眉を寄せるラビ。

まったく…ころころと表情が変わるやつだ…

ユウはため息をついた。

「なら俺は此処で仕事をする」

「ええっ!?今なんて言ったさ?」

「んだよ、俺がこいつの面倒をみてやるって言ってんだよ…」

そう言って、四つ折の紙とは別の、数枚の紙をラビの額に押し付ける。

「ふぐっ」

「今日中に、その資料を調べてまとめとけ」

「う、うへ~」

びっしりと紙いっぱいに並べられた文字。
それを見るなり、ラビは悲しそうに目を細めた。

「き、今日中さ…?」

「できなかったら、今度の稽古の的にする」


そう言うユウの目は、冗談など一切映していなかった。

「ユ、ユウの鬼ぃ!!」

独眼を潤ませながら、ラビは部屋を飛び出していった。



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