第4章 fated アレン切裏
泉の美しさに、二人とも心を奪われて、
女の方がその泉の水を飲んだの
そしたら…
女は突然苦しみ出し、恋人に襲い掛かった。
男は重傷を負いながらも逃げ、今度はわけのわからない化け物を連れてやってきた。
“あの化け物からイノセンスを奪え!”
男はそう命令して自身も変形して女に襲い掛かってきた。
女は涙しながら男と化け物を壊した――――
この泉は、女の意志で武器にもなり、触れた物を浄化する…
男と化け物もこの泉に落ち、残ったのは妙な造りの機械…
それも女の意志で消えた。
「――女はこの泉の呪いを受けたの」
成長も止まり、ここだけは時間が無くなった。
時代が過ぎるに連れて、あの男が、女を利用してこの泉を捜し当てていたのだということも何となくわかってきた。
「そして幾度となく、あの男と同じ匂いのする者達が現れては、この泉を求め、私に殺されていった…」
女は神の罰を受けたの
あの泉の水を飲んだから…
恋人も、自由も、自分自身も…
みんな奪われた…
「いつしか近くの街の者には生気を吸う魔女と呼ばれるようになった…」