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songs(R18)

第29章 ep3 貴族の事情





「あのね、実はキャメロット家ってね…」

「ねぇ」

三人は突然の背後からの声に、びくりと肩を震わせた。

(まさか…っ)


恐る恐る後ろを向くと…


「ユウはどこにいるのぉ~?」

深紅の薔薇を抱いた小悪魔が、口元に笑みを浮かべて、入り口に立っていた。

さっと、血の気が引いていく。

(まさか聞かれていたんじゃ…)

そうなれば、これはとてもまずい状況である。


そもそも、使用人が客人の陰口を言う事すら大罪なのだから…


「な、なんでしょうか?ロード様…」

先程まで陰口を言っていた使用人達は、ロードから目を背け、部屋を清掃する。

代わりにミランダが、ぎこちない笑みを浮かべて彼女に接待する。


「だからぁ~ユウはどこにいるのってばぁ~」

時計に目をやって、彼のスケジュールを思い出す。

「ユ、ユウ様なら、…まだ仕事部屋にいらっしゃると思いますけど…」

「そ。わかったぁ~」

そう言って、ロードは踵を返した。

ホッと、安堵の息をつく三人。
けれど、ロードは背を向けたまま、彼女達に言い放った。


「…僕がユウと結婚したら、お前らなんかみーんなクビにしちゃうから♪」

「………」


(やっぱり、聞かれていたんだわ…)

ロードの足音が去っていくと、
三人は顔を見合わせる他、なかった。




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