第29章 ep3 貴族の事情
婚約者?
「ンフフ~驚いちゃって、可愛いな~…じゃあをちょっと借りるねぇ~」
彼女の腕に絡み付いたまま、ロードはティキを連れて廊下を歩いていった。
残されたラビとミランダは顔を見合わせた。
「まだ此処に来て二週間しか経ってないのに…ちゃん、大丈夫かしら…」
「それより、ユウの婚約者って…本気で言ってるんさ?あの子…」
ラビは重い息を吐き、額に手をやる。
ミランダはこっそりと開け放たれたままの応接室を覗き込んだ。
「………」
ユウはソファーに腰掛けたまま、窓の外を眺めていた…