第28章 ep2 深孤の優しさ
―――…
「ユウ、何処行っとったんさ?寝室にもいなかったし」
ラビが呆れ顔でそう言ったのは、いつもの仕事室。
ラビがユウを見つけた時、彼は何食わぬ顔で仕事をしていた。
「…別に」
「ユウが誘拐されたんじゃないかって、心配したさ~」
へらへらとユウに近づいて肩を抱くラビ。
そんな事、かけらも思ってないくせに、と言いかけたが止めておいた。
すると、ラビは驚いて目を丸くした。
「ユウ?体熱い…」
ガタン…ッ
ラビが言い終わる前にユウは席を立って扉の方に向かった。
「ユウ…まさかっ」
流石ラビ、察しが早い。
「ラビ」
ユウは背を向けたまま、言った。手の中の、金色のロケットに目を落とす。
「あの事故の事…覚えているか…?」