第28章 ep2 深孤の優しさ
―――…
12月の冷たい風が体を突き抜けていく。
バシャッと池の冷水に足を浸けると、凍てつく冷たさが足に噛み付く。
「……っ…」
ランプの明かりだけを頼りに彼はあるものを探す。
手当たり次第に水面に手を突っ込むが、探し物は中々見つからない。
もしかしたら、もっと深い場所にあるかもしれない、と底面の土までもを掴むように探した。
何時間探しただろうか?
次第に手や、足の感覚さえ麻痺し始めてきた。
それに加えて、日頃の疲れが肩に重りを乗せ始めた。
寒い―――…
けれど諦めては駄目だ。
見つけるまでは、絶対に…!
すると、雲に隠されていた美しい月が、辺りを照らし出した時、水中に光るものを見つけた…