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songs(R18)

第27章 ep1 昼下がりの出会い




「俺は女が嫌いだ…」

「また言ってるんさ?」


ティーセットを片付けている赤毛の使用人は苦笑いを浮かべた。

右目を眼帯で隠した彼と同じくらいの歳の青年だ。
使用人とは思えない美しい容姿と仕草でティーセットを片付ける彼は、この屋敷の次期当主:ユウ・D・ティエドールの唯一友人と呼べる人物だ。

「その言い方、男色っ気があるみたいに聞こえるからやめるさ~」

「…この馬鹿兎っ…」

使い込まれた剣をその使用人に向ける。
けれど使用人はおどけたようにその切っ先をそっと指で弾いた。

「んな綺麗な顔してんのにもったいないさー…」

哀しそうに端正な顔を細める。

「可愛い子なんて、毛先の数ほどいるって」

と、意味不明な例えを持ち上げる。

ユウはため息をついてソファーに腰掛けた。

「もういい。さがれ…」

コイツはどうも、合わない奴だ。
この使用人といい、あの絵かきの父親といい…

ストレスやらなんやらで眩暈がする。


「少し仮眠を取る。起きるまで起こすな…」

高い天井を見上げ、目に手を乗せてつむる。

気配で使用人が息をつくのがわかった。


全く、つきたいのはこっちだというのに…



「じゃあ俺は新人の女の子に会って来るさ~」

そう言って扉が閉まる音がした。



やれやれ、
やっとゆっくり眠れる…

ただでさえあの父親との会話で精神が擦り減っていった…

夕方からは、また資料に目を通さなければいけない…


少しでも、体力を温存させておかなければ…



ユウは、ゆっくりと昼の温かさに意識を沈めていった…


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