第24章 らいおんハート 神田切甘裏
…
「愛してる…」
割れ物を扱うように、神田の手はの身体に掛かったシーツを退かした。
ぱさりという音と同時に、の傷付いた身体があらわになった。
外気に曝された身体が震える。
(その震えは…寒さだけか…?)
神田は安心させるように、の身体を抱き寄せた。
「何も恐れる事なんてねぇ…お前はお前らしくいろ…俺が側にいてやるから…」
信じる者が側に在ること…
それはどんな事にも立ち向かえる勇気に変わる…
優しく神田の手がの身体を伝っていく。
指の腹が、細い傷に触れる度に、は僅かに息を詰まらせた。
硬くつむった瞼に唇を寄せる。
「俺だ……」
あいつらじゃないから…
はゆっくりと瞳を開いた。
そして確かめるように神田の手を取る。
「私…汚れちゃったんだよ…」
「俺は思ってない…お前はお前らしくいろって言っただろ」
視線をそらすの頬に手を添える。
愛おしむように、不安を取り除くように…唇を重ねる。
「んっ……っふ」
トサッと、彼女の裸体をシーツに鎮める。
「この髪も、瞳の色も…どこが汚れたって言うんだ?」
「………」
いつもお前は俺と喧嘩ばかり…
気の強くて意地を張るお前…
それが今じゃ汚れたと、泣いている…
そんなのお前らしくねぇ…
お前は、
「笑ってろ…」
お前の笑顔は…汚れた俺を癒してくれる…