第24章 らいおんハート 神田切甘裏
「お前が襲われたって聞いて、俺は今まで抱いた女達に謝った…
あれから女を抱く事はしていない…お前の想いに応える決心がついたからだ」
お前を包み込んでやる為に…
神田はゆっくりと、の唇に口付けた。
「…っ」
安心させるような、啄むような…
それは、神田のに対する愛情だった。
俺はイノセンスと巡り会う為に生まれてきたんだと、思っていた。
残りの命が尽きるまで、戦うつもりだった
それが俺に背負わされた十字架なんだと…そう思ってた
だが、いつの間にか護りたいものが出来た。
…俺に人を愛する事を教えてくれた女…
今、俺は…
お前を守るために生まれて来た…そう思いたい。
「お前が失ったもの…俺が全部埋めてやる」
今までと変わらない…優しい朝を向かえられるように――
「沢山傷付けたが、…お前だけを愛しているのは確かだ」
もう、お前を独りにはしない…
ずっと…呆れるくらいずっと…
「側にいる…」
過去が変えられないのなら、
俺は今を変えてみせる…
こいつが笑える、今に…
今、俺がの側にいてやる事が、こいつにとって一番安心できるなら…
俺はずっと抱きしめていてやる…
守ってやる…
「だから、泣くな…」
「ふっ…ユウ…っ」
神田が、の首筋に吸い付いた。
出来た愛証にそっと触れ、を見つめた。
「俺が…忘れさせてやる…」
の胸中で蝕む過去を…
「ユウ…」
の手が神田の首に回る。
「お願い…っ」
それが、お前の笑顔を取り戻せるなら…