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songs(R18)

第24章 らいおんハート 神田切甘裏





「私…っまだユウの事忘れられないのに…今貴方がここにいたら…私…っ」

押し潰されそうだよ…


(まだ…俺を想ってくれていたのか…)

彼がどれだけ汚れようと、
彼女はずっと…

「…」
ふわりと包み込むように、神田はを抱きしめる。

びくりと肩を揺らし、は悲鳴をあげる。

「いやっ…やだっ!」
「…俺を見ろ」

神田はの頬に両手を添え、自分に向けさせた。

その真っ直ぐな瞳を見つめ、はゆっくりと呼吸を整えた。

「今でも…鮮明に蘇ってくるの…独りで…っ路地裏に引きずり込まれた感覚が…っ」
は身体を震わせる。

「服も…破かれて…っ押さえつけられて…怖かった…っ!」
「もういい、思い出すな!」

神田はの頭を胸に押し当てた。
「お前は悪くねぇ…お前が泣くな。
泣いたら、過去に押し潰される」

神田はの頭を優しく撫でた。

「守ってやれなくて…すまなかった」

彼女が悍ましい目に遭っている間も、自分は女を抱き続けていた。

彼女が傷ついていたのに、自分は…!

「どうして…ユウは優しくしてくれるの…?私…怖いよ…」


今の貴方も、私を襲った人達と…同じに見えてしまう…

怖いの…


「俺は…お前を愛してる…」

「嘘よ…あの時貴方は私をフったじゃない…っ」

「俺は…きっとお前より先に死んでしまう。お前を悲しませる事はしたくなかった…」

「貴方は私を悲しませてばかりじゃない…っ」

は神田の胸板を叩いた

「確かに…そうかもな…」

悲しませる事はしたくなかった、けれど彼女の想いに応えてやらなかった事が、彼女にとって一番の深手だっただろう…

そこに追い討ちをかけるかのように今回の事件は起こった。

「何度も…何度もユウの名前を呼んだ…来てくれないとわかってたけど…」



今、彼女を独りにするのは危険だ
自分が側にいて…彼女を守ってやらなくては…

「俺がいる…側にいる」

呆れるほど、お前が好きだ…

ずっとずっと…

俺はしてきた事も、お前が犯された事も…

過去は変える事は出来ない。

けれど、これから…

変われる努力があれば、

俺はまた、お前を愛せるだろうか




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