第24章 らいおんハート 神田切甘裏
「わかるわけないでしょ…自分の欲を吐き出す為に、ユウを好きな女の子を利用する貴方の気持ちなんか…!」
神田はを睨み付けた。
「てめぇ…目障りだ、消えろ」
何も知らない…お前を見てると、
汚い俺が晒け出されるみたいだ…
「言われなくても、これから任務よ。馬鹿!」
ガタンッと席を立ち、はすたすたと食堂を後にした。
の言う事が正しいのは自分でもわかっている。
けれど、あいつを愛しいと想うほど、このライオンのような獣の心は疼き出す。
お前をこれ以上傷つけない為に取った手段。
わかってくれとは言わない。
ただ、お前が幸せなら…
ーーー・・・
一週間後…
が帰還すると連絡が入った。
予定よりも数週間早い帰還に、神田は詳細を知っているリナリーを訪ねた。
リナリーは気難しそうに眉を寄せて、の帰還の理由について話した。
「いつかは耳にする事だから…先に言っておこうと思うの」