第24章 らいおんハート 神田切甘裏
「ユウ、また恋人作ったの?これで何人目?」
食堂の隅で、夕食を食べ終わり息をついていた神田の向かいに、同じエクソシストのが腰掛けた。
「文句あんのか?」
ギロッと神田の鋭い瞳がを射抜く。
けれどはそれを気にせず、息をつく。
「別に。恋人作ったんなら大事にしてあげないとって思っただけよ」
は16にしては大人びた顔を悲しそうに歪めた。
「ユウにフラれた女の子達…泣いてたよ?酷い子じゃ三日で別れたみたいじゃない」
「お前には関係ねぇだろ…」
そう言って舌打ちする神田に、は机を叩く。
「関係なくないよ!…私も、ユウにフラれた女の子達と同じなんだから、彼女達の気持ちわかるよ!…どうしてそんな、人を遊ぶような事をするの…?」
は一度、神田に告白した事があった。
けれど神田はそれには応えず、とはエクソシストの仲間という関係のままとなった。
それ以来彼は今日まで、寄って来る以外の少女達を抱き続けて来た。
神田はから視線をそらす。
「てめぇは何にもわかってねぇ…俺がどんな気持ちでいんのか」
わかるはずない…
好きな女を前に何も出来ず、寄って来る女達を抱く…
俺の気持ちなんか…
俺は、いつか死ぬ運命…
お前を…最期まで護れない…
だから、お前を傷つけない為に俺は…お前を受け入れなかった。
代わりに、他に寄って来る女達を抱き続けた。
お前に対する愛しさを、そこで鎮めていた…俺の気持ちなんか…
わかるはずない