第22章 Why 神田パロ切甘裏
「ちっ、何でお前が泣くんだ…」
「ごめん…嬉しくてっ…ユウが、笑ってくれて…」
「お前が変えてくれたんだ…」
「え…?」
途端、神田の顔がより近付き、唇に柔らかいものが押し当てられた。
「ふ…っ」
目を開けると、神田の長い睫毛の奥の瞳に、自分が写った。
キスされているんだ…
孤児院の子供達にも頬等によくされている。
が、口にされるのは生まれて初めてだった。
けれど決して嫌な感じじゃない。
何故?
それはが神田と同じ気持ちだからなのだろう。
は嬉しくなった。
(私は彼が好きなんだ…)
同時に彼も自分を好いてくれている。
愛し愛される事とは、なんて幸せな事なのだろう…
離した唇から、白い吐息が洩れた。
「まだ、熱、あるみたい…休んだほうが…」
が神田の額に手をやる。
けれど神田はその手を取り首を振った。
「いい。今はお前を…」
「…あっ!」
言いながら神田はの首筋に顔を埋める。
「ユウ待って、私…」
「初めて、か…?こういうの」
頬を赤らめて頷く少女に、神田は優しく微笑みかけた。
「優しくするから…いいか?」
の合意を求める。
は潤んだ瞳で神田を見つめ、優しくして、と顔を真っ赤にして言った。
神田は顔を上げた。
「信じろ…」
と、言って唇を重ね、ベッドにゆっくり倒した。