第21章 恋いしくて 神田切夢【Time goes by続編】
ーーー・・・
6ヶ月前の…
あいつからの別れ話…
俺はあの後、久しぶりの涙を流した。
あいつとの喧嘩がなくなった時、俺の周りには音がなくなった気がした。
大勢の人間がいる教団…あいつの姿がないだけで、この世で独りきりな気がした…
…
それくらい、俺の中でお前は大きなものだったんだって…
気付いた…
でももう戻る事は許されない。
もうお前を…俺のせいで泣かしたくない…
だが、お前の瞳や髪の色…香り…人混みが苦手な所…
一緒に眠る時、いつも小さなベッドの右側で眠る癖…
(おかげで俺は、今も右側を空けてしまう癖がある…)
…身体中が覚えてる。
こんなにも愛しかったんだな…って
久々のとの任務。
どうしたらいいのかわからない。
他の任務からそのまま来た俺は、ゴーレムを使ってを見つけた。
座り込んで、小さい身体を余計小さくしまい込んでいる。
その、雨にも負けそうな細い身体を…抱きしめる事ができれば…
そんな衝動を抑えて、俺はに吐き捨てるように言葉を放ち、踵を返した。
でも、こいつが泣きそうになっているのを、気配で感じた…
思わずお前の名前を呼んだ。
恋しくて…
けれど、次に続ける勇気がなかった…
なんでもない、それを言うだけで精一杯だった。
…俺はまだ、お前を忘れられねぇ…
心に嘘が、つけない…