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songs(R18)

第21章 恋いしくて 神田切夢【Time goes by続編】





―――…

「エクソシスト様、こちらでお待ち下さい。もうすぐ神田様が来られます」
「…わかりました」
「我々は辺りの調査に参りますので。お体を冷やさぬよう…」

そう言い残し、探索隊はの前から姿を消した。

完全に気配が消えると、は息をついてその場に座り込んだ。



あれから、積極的に任務をこなした。
仕事に打ち込む方が彼の事を考えずに済むからだ。

けれど、今回はそうもいかない。
神田も一緒なのだ。
別れて以来、一度も彼と任務が同じになった事はなかった。

…ここにいれば、ゴーレムの機能で彼が探しに来る。
彼と合流し、それから任務は始まる。


(…何を話せばいいのかわからない)

彼は今、自分の事をどう思っているのだろうか…

(恨んでるのかな…散々傷つけてしまったんだから…)

私はまだ…
こんなにも好きなのに…


でももう、戻ってはいけないんだ
また繰り返してしまうから…

あの辛い日々を…すれ違いの日々を…


だから、忘れなければいけない…
忘れなければ…いけないのに…っ



「おい」
「っ!」


はハッとして振り返った。
見上げた先には、この世で1番愛しく、逢いたくなかった人がいた


(ユウ…)

変わってないね…
半年も経ったのに…

背は少し伸びたかな?

「探索隊が目的地を見つけた…行くぞ」
「あ…」

が言葉を発する前に、神田は踵を返した。



…前よりもずっと、淋しい背中をしているね。



それは、“あの人”が見つからないから?
それとも…



「…」
「ぇ…」

は目を見開いた。

「いや、なんでもない」
神田はまた歩き出した。

は彼の背中を追いながら、僅かに涙を零した。

貴方の背中を抱きしめる事も、もうできないんだね…


自分で決めた道なのに…

やっぱり現実は厳しいね…





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