第19章 永遠の物語 ラビ切甘裏
初めて聞くの明るい声
初めて見るの明るい顔
素直になる薬のおかげなのだったら、本当ははこんなに明るい少女なのだろう。
けれど、どっちにせよ…
(可愛い過ぎるさっ!)
が笑えるようになったと言う知らせは教団中に広がった。
もともと小柄で、可愛いらしい容姿のに好意を抱いていた者が、の周りに多く集まって来るようになった。
「、これはそっちにおいてね」
「わかったっ」
「、疲れましたか?」
「ううん、大丈夫。
アレンくんこそ疲れてない?」
「あまり無理すんなよ…」
「ありがとう、神田くん」
本当に可愛いらしくて、ラビもその中に入りたかったが、どこか腑に落ちない所があった…
ーーー・・・
「どうしたの、ラビ?」
彼の部屋に連れて来られ、はちょこんとベッドに座る。
そんな彼女の身体を、ラビは無言で抱きしめた。
「ん…っ」
唇を重ね、ラビは悔しそうに眉を寄せた。
「が素直になって、俺もめっさ嬉しい。けど、は俺の彼女なんだから…もっと周りを気にしろ」
違う…
こんな事が言いたいんじゃない。と皆が打ち解けるのはとても良い事だとは思う。
だが、自分以外の異性に…あんな笑顔を見せてしまえば…
「変な虫がつくだろ」
そう言ってを抱きしめる。
「うん…ごめんねラビ…」
は本当に申し訳なさそうに俯く。
「わかったんならいいさ♪」
先程と打って変わり、ラビはの頭を撫でた。
は顔を上げて、微笑んだ。