第19章 永遠の物語 ラビ切甘裏
「じゃあ、この薬は…」
「うん、アクマとかの侵入者用に作った、嘘をつかせない薬…
効果が強いからすぐに切れると思うけど…」
ラビは自分の腕の中で眠る少女を見下ろした。
とにかく、命に別状が無いことに安堵する。
「つまり、が目を覚ましたら…」
ーーー・・・
(此処…どこ…?)
綺麗な、朝陽が差し込む森…
優しい色合いのそれらが、呆然と佇んでいたを迎え入れるように揺れる。
リスや兎たちが彼女の事を見ている…
(私、どうしたんだろう…)
“こっち…”
透き通るような声に振り向くと、樹の幹から手が見えた。
“おいで…”
導かれるように、の足は動く。
(貴方は誰…?)
“怖がらないで…”
はその手を掴んだ。
辺りが輝き、再び意識が遠退く。