• テキストサイズ

songs(R18)

第19章 永遠の物語 ラビ切甘裏





本当は、ありがとうと言うべきだったのだろう。

それすら言えない自分が嫌い…


人見知り、とも言うのだろうか…
それは果たして治るのだろうか…

(頑張って治さないと…あの人にも迷惑かけてしまう…)

は小さくため息をついた。
ちょうどその時、の小さな身体を抱き寄せた。

「♪」

温かい腕、逞しい…

振り向けば見知った赤髪の人懐っこい青年が笑みを浮かべていた…


「ラビ…」
「おはよーさん、ちゃんと飯食ったか?」

の小さな声とは裏腹にラビの陽気で明るい声は室内によく響く。

「まだ…」
「ちゃんと食べんと~あ、食堂行くさ?」
「ちょっとラビ、朝からにベタベタするの止めてもらえますか?だって固まってるでしょう」

アレンが歩み寄って来てラビにため息をつく。

「いいじゃん♪アレン、妬いてんさ?」
さっきよりもぎゅっと、を抱きしめるラビ。

「の顔が…微妙ですけど」
「あ…その…」

多分、彼らから見たら自分は不機嫌な顔をしているのだろうけど…


(嬉しいんだけどな…)

ラビは一応、の恋人。
教団に入団してすぐに想いを告げられ、半ば強引にこの関係になっている。

けれど決して嫌ではないし、彼はキスと抱きしめる以外の事はして来ない…

自分に気を遣っての、彼の優しさだろうが…


きっと溜まっているだろう。
たまにキスが激しくなって服を脱がされかけた事があったが、ラビはすぐに止めて謝ってきた。

自分を大切にしてくれるのは嬉しいが、それで彼が苦しいなら意味がない…



私が、もっと素直だったらいいのに…


彼に、伝えたかい事が沢山あるのに…


「あっ!危ないっ!」


科学班のジョニーの声が聞こえたが、はその声に反応してラビの腕から逃れる事しか出来なかった。

バシャンッ

何か温かい液体が、纏わり付いてくる。

「ぅ…」

急な眠気がを襲い、立っていられなくなる。

“!大丈夫さ!?”




彼が、
受け止めてくれる感覚がした…



/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp