第18章 何度も 神田切裏
「此処ね、私のお気に入りの場所なんだっ夕日が綺麗でしょ?」
二人は、夕日が照り輝く海沿いの防波堤に腰を降ろした。
あの後、神田は用事が済んだらしく予定がなかったのでは無理矢理彼に街の中を案内して行った。
神田はほとんど黙っての行きたい場所について行ったが、今回の美しい光景に僅かに目を見開いていた。
はそれを盗み見て、嬉しそうに微笑んだ。
「綺麗でしょ?私、嬉しい事や悲しい事があったら此処に来るって決めてるの。
今日も、嬉しい事があったから、此処に来たんだよ?」
神田はを見下ろした。
「何かいい事があったのか?」
聞かれてはハッと我に返った。
このままでは、告白に繋がってしまう…!
そんな予感がした。
けれど、今ばれてしまってもべつに構わない。
自分は好きになればとことんなタイプだ。
奥手より先手。
先手必勝の考えがモットー
「ユ、ユウに…また会えたから」
そう言ってぎこちなく微笑んで見せると、神田は驚いたような目をしていた。