第18章 何度も 神田切裏
何故、あの時あんな約束をしたのだろう…
きっとあの時から、私は彼に惹かれていたんだ
だから次の日、またあの場所に行った。
彼に…
ユウに会える気がしたから―…
ーーー・・・
「ユウ!」
これは運命なのか、彼はあの場所に行く途中に通る広場で一息着いていたようだ。
の声に反応し、だるそうにこちらを向いた。
は、ぱっと顔を明るくし、駆け寄った。
「何してるの?誰か待ってるの?」
「………」
神田が座っていた木製ベンチにも腰掛け、彼の顔を覗き込む。
昨夜は暗くてはっきりとは見えなかったが、本当に白くて綺麗な顔をしている。
(日本人…だよね?)
青に近い髪だが、それは滑るように滑らかだった。
「おい」
「ぇっ、あ、何?」
口を開いた彼には尋ねた。
「あれから、無事に家には帰れたか?」
は首を傾げた。
「どうしてそんな事聞くの?」
「いいから答えろ」
ジロリとこちらを向いて神田は言った。
その様子にはまだ疑問を抱いていたが、これ以上彼の怒った顔を見たくなかったので素直に答えた。
「うん。ユウが言ったから、あの後走って帰ったんだよ」
それを聞いた神田は、いいとも悪いとも言わず、そうか、と視線を前に戻した。
「ならいい…」
「もしかして、私の事心配してくれたの?」
そう思うと胸が弾んだ。
神田は眉をひそめ、けれど否定はしなかった。
は、ぱっと顔を輝かせた。
「…ありがとうっ」
「…変な女」
呆れた様子の貴方…
でも私は、あの時大きな勘違いをしていた事に…気付かなかった
それほど、私の頭の中は貴方でいっぱいだったから…