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第17章 恋愛写真 クロス切裏【HEAVEN番外編】





(この子は殺される…)

もっと生きたいだろう…
本当は大空を飛び回りたいだろう
それが出来ずに、死んでしまう…

自分でどうする事もできないのなら…

誰かが、手を差し延べてやらないと…!


「私が貰います!」

「えぇっ?姉ちゃん、本気かい?」

男は目を見開いた。

は頷き返す。

「どうせ処分されるなら、私がその子の面倒を見ます!」

私が、外の世界へ連れ出してあげる…

鳩はの言葉がわかるように忙しく鳴いている。

クロスはの真っ直ぐな横顔を見つめ、ふっと笑んだ。

「そいつの餌は誰が払うんだ?」

「ぁ…」

は振り返り、えと…と可愛いらしく視線を巡らせた。

「私の食費とかでも…何でもいいです!とにかくこの子を育てたいんです!」

決めた事はやり通す…

あの時誓った事を実行するチャンスだった。

の瞳は、やり通したい事を見つけて、今まで以上に輝いて見えた。

クロスは目を細め、の頭を撫でた。


「投げ出すなよ?」

「はいっ!」

は口端を吊り上げて喜んだ。

その姿には店員は疎か、クロスさえもが置いた手を離す事を躊躇ったほどだった。

「馬鹿…」


クロスは目を細めた。







ーーー・・・





「へぇ…それでさん、この鳥の名前は?」

「それなんだけど…要らないかなって思ってるの。やっと外に出られたのに、名前で縛られちゃ可哀相だから」


は愛おしげに、ベッドの片隅で眠る鳩の頭を撫でた。

「この子が飛べなくても、いつか素敵な相手に出会えるまで、私が育てるの。アレン君達と一緒に旅をしてきて初めてやりたい事を見つけたんだもの…きっと、やり通してみせるわ」


そう楽しげに話す…



もしそれがやり通せたなら…
私は貴方の隣を歩けますか?


貴方の好むような…イイ女になれますか?







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