第16章 HEAVEN クロス切裏
「ああっんっ…ぁっ」
ズ…
クロスの熱い自身が、の細い身体に埋められていく―…
全てを納めきると、クロスは彼女の頬に触れた。
「…」
「んっ…クロス…様…ぁ」
苦しそうに顔を歪めていたが、クロスを見ると一転して、柔らかく微笑んだ。
「無理はさせん。綺麗に鳴け…」
そう、小鳥のように…
澄み渡る声で…
その声は、俺にしか聞こえない…
ゆっくりと、クロスの自身がの膣中から抜かれる。
そしてずん、と突き入れられる。
「あぁあっ…んっ…」
の様子を伺いながら、クロスは抜き差しを繰り返す。
「あぁっんっ…んぁ…はぁあっ」
突き上げられる度にの身体は大きく反り、そして喉から快感の声が出て来る。
(本当に…今日の俺はどうかしているな…)
ひとりの女にここまでの感情を抱いたり、
鬼畜な自分がこんなに相手を気遣っている。
なにもかもが…この女が初めてだ
(…お前はもしかして本当に俺の――…)
そこまで考えて、クロスは目を伏せた。
いけない、駄目だ…
もしこいつが将来、俺と結ばれるべき相手だとしても、これ以上危険な目に遭わせる訳には…
「クロス…様…?」
はっとして我に返ると、不安げに自分を見上げるがいた。
「どうしました…?とても悲しそうな目をして…」
そう言ってはクロスの首に自分の腕を巻き付ける。
「私にできる事があるなら…なんでもしますわ…」
自分を想っての言葉。
クロスは繋がっているの首筋に顔を埋めた。
「ふっ…たまに出るお嬢様口調は相変わらずだな」
「あっ…」
は顔を赤く染め、過去の自分を恨んだ。
生粋のお嬢様の心は、5年前からずっと…クロスに奪われ続けている。
「婚約者がいたんじゃないか?」
「ええ…貴方を追いかける際にいろんな手を使って私を妨害するような…酷い人でしたわ」
苦笑いをする。
きっとその婚約者は…そうまでして、
お前を失いたくなかったんだろうな――…
「まるで、どこかの美人店主みたいな奴だな…」
「まあ…一緒にされるなんて…」
は眉をひそめたが、彼がまた揺動を始めると、それは快楽の表情に変わった。