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songs(R18)

第16章 HEAVEN クロス切裏





そう、私はこの事を貴方に伝えにきた…



「私を愛してくれなくてもいい…

けど、貴方を愛する気持ちは、誰にも譲りません」




でも、とオルゴールを置いて、は目を伏せた。



「…この答えが出たのは、つい最近なんです。

貴方を探している間、私は何度も自分を見失いました。

もし逢えたとして、私は何がしたいのか…

何を望んでいるのか…

でも、やっと…揺らがない想いに気付く事ができました…」


はゆっくりと微笑み、そしてクロスの手を、両手でそっと包み込んだ。


「私は貴方を愛したかった。

そして…貴方が貴方らしく生きて下さる事を、私は望んでいるのです」



ずっと側で貴方を想い続ける事が出来ないのなら、

せめて貴方がもつ多くの恋人達の中で貴方を一番に想い続けます…

そして、



「クロス様が私を愛して下さらなくても、クロス様がクロス様らしく、自由に生きて下されば…は“幸せ”です」



そう、貴方の存在自体が…

私を幸せにする…



話すの表情は本当に幸せそうで、クロスは無言で彼女を抱きしめた。


「クロス様…?」

「馬鹿な女だな、お前は」


耳元で愛しい人の声が響く。



は美しく口元に弧を描き、クロスの逞しい背に手を回した。




「はい…」


煙草の匂いを愛しく感じ、は目を細めた。




クロス様…



貴方と出逢えた事、



もう一度逢えた事…



私は運命と感じてもよろしいでしょうか…





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