第15章 Re; デビット切甘裏【SNOW KISS続編】
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「…いるよな?」
乱暴に扉をノックし、その向こうからデビットの声が聞こえる。
枕を抱きしめて眠っていたは顔を上げ、扉の方を見つめた。
「…デビット?」
その質問に返事は無く、先に扉が開かれた。
案の定、そこにはパンキッシュな容姿の少年がいた。
「よ。」
そう短く挨拶をし、のいるベッドに近づいた。
何故かが僅かに後ずさりしたのを見て、彼はベッドに乗り上げた。
「なあ」
「っ…な、何…?」
威圧されるような声色に、は恐る恐るデビットを見上げた。
「お前、変だぞ?」
「へ、変って…?」
内心、心臓が跳ねる感覚がして、冷や汗が流れる。
「教団から帰ってきてから元気ねぇし、すぐ部屋に篭るし…
オレの目ぇ見ねぇし」
壁まで追い詰められたところで、デビットは銃をの顔のすぐ横に突き付け、顎に手を添える。
「明らかに変だろ、お前」
「………」
は沈黙のまま、デビットから目をそらす。
「変じゃ…ないよっ」
「ふ~ん…だったらこっち向けよ」
そう言われ、は言われたように顔を上げ、彼を見た。
「んぅっ…!」
途端に唇を押し付けられ、は目を見開く。
「…っぃやっ!」
思わず拒絶し、彼の胸を押し返した。
「ってぇ…!」
「…っ!!」
我に返り、は突っ張った自身の手を胸に引き寄せた。
「ご、ごめん…」
申し訳なさそうに、はデビットを見つめた。
ギロリとデビットの狼のような双眼が自分を捕えた。