第15章 Re; デビット切甘裏【SNOW KISS続編】
「ん~なんでだろ?わかんないなあ~」
ロードはもう一度、に歩み寄り、の顔に手を添えた。
そして、柔らかく微笑む。
「でもね~、二人ともボクの大切な子達だから…
大切な二人に、何か大切なものを見つけて欲しかった…って思ったんだ」
「ロード…」
「ちゃんと、見つけたんでしょ?…だから、泣いてるんでしょ…」
敵だと言う事を知っていて愛し合い、
最後に、別れを選んだ…
にとっての大切なものは、
立場を越えての深い愛だった…
もう、還ってはこない…一瞬の。
はそれを思い出し、瞳から一筋の涙を零した。
「ロード…ありがとうっ…!」
「よしよし、は偉かったね」
ロードはぽろぽろと涙を零すの頭を撫でる。
そして、哀しげに微笑んだ。
「いつかは戦わなきゃいけないけど、その時までに…忘れなくちゃね…」
「……!!」
そう、そうだ…
次に会う時は、私はアレンくんの敵で…
アレンくんは私達の敵…
私達は、戦わなくちゃいけない…
そんなの嫌だ、と心が叫んでいるけれど、私にはどうしようもない
忘れるしか、楽になる方法はないの…?
私にはそれはできない事なのに…
「ゆっくりでいいよ、
とにかく今は、この事を誰にも知られないようにしなくちゃね。
得にデビットには…」
「…うん…」
そう、私のもう一人の
…大切な人
恋人である彼には、絶対に知られてはいけない。
「わかった…」
今でも、夢の中でキミが優しく微笑んでいる…
私をノアだと知っていて、その笑顔を変えないで…
愛してくれたアレンくん…
ごめんね、私…
キミに
何もしてあげられなかった…
夢の中ではみんな繋がっていると言うのなら、今すぐ私はキミの元へ飛んでいきたいよ…