第14章 SNOW KISS アレン切裏
(終わっちゃった…)
二人は禁忌を犯した。
その代償は、二人がもとの関係に戻らなければ…
離れなければ…
は静かに服を着始めた。
カーディガンを羽織り、部屋を後にしようとした時、温かいアレンの腕に引き寄せられた。
「送るよ。バルコニーまで」
「……?」
「あそこにはの為に、ロードが残した扉がある。
それを使って…帰ればいい…」
「……うん」
二人は手を固く繋いで、バルコニーまでの廊下を歩いた。
さっきと同じように、一言も話さず。
ガチャ…
バルコニーへ続く扉を開けると、さっきまで感じなかった冬の寒さが肌を通り抜ける。
「…さむ…」
思わず はその場にうずくまる。
アレンはその小さな身体を抱き上げて白いベンチに降ろした。
自分もその隣に座り、肩を寄せ合う。
寄せ合った肩だけが、温かくて、二人を現実から遠ざけた。