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songs(R18)

第14章 SNOW KISS アレン切裏





キィィン…


「…んっ…?」


ノアの身体がぴくりと反応する。
その理由は、

「ロード…?」


同じノアの気配を感じたからだ。

けれど部屋を見回してもあの小悪魔めいた容姿の少女はいなかった。


だが確かに感じた。


彼女の能力で現れる扉の気配を。



は身体を起こし、足をベッドから下ろした。




ヒタ…と冷たい床の感覚。



(…今は、冬だものね…)



は支給されたカーディガンを羽織り、音を立てずに部屋を出た。








「此処…?」


看護婦達に見つからないように忍び足で来た場所は、バルコニーへ続く廊下だった。


何かがを導いたのである。


バルコニーに続く前方のガラスの扉から光が漏れている。


は裸足である事も構わず、バルコニーへと駆けた。



キィ…



静かに扉を開くと、冬の凍てつく風が全身に突き刺さる。



「さ、…む…」

「!?」



聞き覚えのある声。

一番聞きたかった声―…



「アレン…くん?」


月を背後に映したその人は、私を見るなり目を見開いて、



「何してるんですか!
風邪ひいちゃいますよ!」


と怒鳴って私に、自身が着ていたコートを被せた。



「あ…」

「どうして此処に?病室、抜け出してきたんですか?」



アレンの問いにはコクンと頷く。


「あなたは怪我人なんですから、安静にしてないと…」


どこか怒っているような口調。



の脳内は大変だった。

何故アレンが此処にいるの…?


アレンが帰って来てくれて嬉しい











そして、悲しい…






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