第2章 Serenade 神田 切甘裏 【三日月の続編】
神田はの目尻にキスを落とす。
「お前を愛してる…
以前お前にした約束、覚えてるか?」
“残りの命、お前に尽くす”
は頷いた。
「お前と離れて、想いが変わった…」
「ぇ…?」
ぐいっとの腕を引っ張り、自分も身体を起こして向かい合う。
恥ずかしそうにシーツを巻いた小さな身体は、月明かりに照らされ青白く、神秘的な光景を見せていた。
綺麗だ、と神田は素直に思う。
口には決して出さないが、強さと優しさを兼ね備えたは誰よりも美しい。
そして愛おしい…
自分はきっと、この少女を守る為に生まれて来たんだと思った。
「お前と共に生きたい…神が許す限り、お前が許すなら永遠に…お前のそばにいたい」
まっすぐに、自分を見据える瞳に照れる事すら忘れてしまう…
「この長ぇ戦争が終わってから言うつもりだったが、二ヶ月の間でお前が俺の中でどれだけでかい存在か、やっとわかった…」
「ユウ…」
嬉しくて、二ヶ月の間、彼が自分を思い続けていてくれた事が嬉しくて…
「愛してる……」
は涙を溢れさす。
神田は彼女の頭を抱き寄せ、額を合わせる。
「俺のそばに…ずっといてくれるか…」
両手で顔を包み込むようにして、を覗き込む。
答えるように、小さな手が自分の頬に宛てられる――…