第13章 One Memory ラビ切裏
「ビ…ラビ…」
か細い声に顔を上げると、が悲しみに涙を溢れさせて見つめていた。
「わ、たしの事…嫌いになったの…?」
ラビは押し黙る。
一瞬、ラビの脳内に昔の二人の姿が浮かび上がった。
まだお互いの事あんまり知らなくて、知っていく度に嬉しくなったあの宝石のような日々――…
シンデレラはいつ魔法が解けた?
違う、お前が好きだから、こんなに愛を求めるんだ…
けど結局は、
身体を求めてるだけだろ?
こんな有り得ないセックスできるのは、真の恋人だから。
でも、そこに及ぼうとする恋人達は、皆歪んでるんだ。
「ああ、そうさ…嫌いさ」
歪んだ愛しか持たない俺が、君を愛する資格はないさ…
だから、この醜い愛から、君を解放して上げる。
俺を嫌いになれ!