第13章 One Memory ラビ切裏
ラビは自分に苛立ちながら自室に帰った。
部屋には休みが偶然一致し、あらかじめ呼んでおいたラビの恋人、がいた。
けれどはラビを待っている間暇だったのか、彼のベッドに顔を突っ伏して眠っていた。
ただでさえ部屋は本で埋まっていて息苦しいのに、その寝顔はとても穏やかで美しかった。
は美人だ。
それは内気という印象を加えても頷けるほどだ。
そんな彼女を好きになり、恋人として接するようになって、ラビは変わってしまったのだ。
どうしてなのだろうか?
ただを好きでいたいだけなのに。
こう、歪んだ感情しか芽生えない?
「ったく、寝るんならベッド使えっての」
の膝は床についたままである。
いつも立ち仕事で疲れているのに…
ラビは眠っているを抱き上げベッドに寝かす。
この時の俺は、優しいのに…
「ん…っ」
の呻きが聞こえると、さっと目の色が変わった。
「ん…ラビ?」
長い睫毛の奥から青色の瞳が覗き、ラビを写す。
「やだ、私寝ちゃったの?ごめんね」
今、自分がいる場所を把握し、慌てどこうとするの腕をラビは掴んだ。
「…ラビ?」
「寝てる間、随分やらしい声出してたさ?何の夢見てたんさ?」
「え…?」
嘘。
これは全くの嘘である。
「Hしてる時みたいに、やらしい声だったさ。」
何故自分はこんな事を言うのだろう…
嘘だと思わず、は心底恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。
「」
ギシ…とラビの身体がベッドに乗り上がる。
「したい?」
「…っ…!」
は身じろぐが、すぐに背中は壁に当たる。
「あんな声出すくらいなんだからいつもよりも激しくしてほしいんだろ?」
違う…
それは自分だろ…