第13章 One Memory ラビ切裏
パコンッ
「った…」
「こら!ダメじゃない。こんな所で他の班の子といちゃついちゃ」
怒った表情でリナリーが俺に指摘する。
「が怒っちゃうわよ!」
俺が腰に手を回していた女の子が驚いたように目を見開いた。
「え~、ラビさんまだ別れてなかったんですか?あんな大人しそうな人と」
は普段からみんなと一緒に騒いだりするんが苦手な子さ
だから回りからも内気な性格だと思われがちだけど、俺の前じゃ笑顔を絶やさない。
あの笑顔が可愛くて、先に告白したのも俺からだったりする。
「あの人綺麗系ですけど内気じゃないですかぁ~早く別れちゃって下さいよ~アタシとかどうですか?ラビさんの好きそうなタイプ!」
そう言って媚びってくるこの女に、俺は静かに内心キレた。
別れる?
馬鹿かこの女。
俺がを手放すわけないだろ
「悪ぃけど、そんなん有り得ないカラ。あいつは頭もいいし、お前なんかよりうんとイイ女さ。
俺から見てお前みたいな奴が一番嫌いなんだよ。」
遊び人…
自分を見ているみたいで…
本当は素直になりたいのに…
「消えてくんない?」
結局キレてしまった。
を悪く言う奴は絶対に許さない。
でも、イイ女といいながら毎回いじめてる俺は矛盾してるな、と苦笑する。
その女の子は涙目で俺の前から去っていった。
それを見ていたリナリーは怖ず怖ずと口を開いた。
「――言い過ぎじゃない?
あの子も、ラビが好きだから言っただけなのに…」
「俺はの悪口言う奴は絶対許さないさ」
「…ラビって、ちゃんとの事想ってるのね。いつも他の子達といるから………見直したわ」
リナリーはどこか嬉しそうに微笑んで、その場から去った。
「そんなたいそうな事じゃないさ…リナリー…」
ラビは自嘲するように呟いた。
俺は…醜い心の持ち主なんさ…