第12章 more than a million miles アレン裏
もう身内くらいしかしらない(と言っても身内なんて全員“この世”にはいないけれど)私の本名。
いつかは貴方に教えてあげたいと思ってた、素の私。
傲慢じゃない、ハートの女王の本当の私の名は…
「…よ」
「…素敵な名前ですね。」
「ありがとう…」
いつから、こんなに自然に笑えるようになったんだろう。
彼がいるから、私はもう一度やり直す事を選ぶのかもしれない。
私は
私を…
許すんだ…!
「壊して…私を」
「貴女の望むままに…」
そして、私達罪に溺れた者達は深く深く唇を重ねた。
「ん…ふっ」
再び柔らかいベッドに倒され、は深く唇を交わす。
舌が這い寄り、口内に侵入して来る感覚に、ぞくりと肩を震わせる。
「ん、ぁ…っ」
上手い、とは思った。
巧みに舌を搦め捕り、適度に呼吸する間を与えてくる。
一体どれほどの女を抱いたんだろう。
子供みたいな顔してるのに、という考えがほてりだす脳裏を過ぎった。
そういえば、先程の勝負は手を抜いたとはいえ楽しかったな…