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songs(R18)

第12章 more than a million miles アレン裏





「いいじゃない…私みたいな人間、一人くらい消えたって」


私は顔を見られたくなくて顔を反らすと、彼はそれを察したのか、覆い被さっていた身体をどかした。



汚いと、最初は思ってた、こんな世界。


金、女、薬…殺しなんて当たり前で、そんな事を当たり前にする父親が汚いと思ってた。


「…貴女の父親って、確か」

思い出したように、アレンは口を開いた。

私は小さく微笑み頷く。



「そう、この世界で急成長した麻薬の密売人…
でも父は何者かに殺されて、唯一身内である私は父に託された麻薬を売りに、父の後をついでしまった。」



こっち側の住人になった。




それからは楽しかったわ。



初めてやったギャンブルでがっぽり稼いで、ポーカーで相手を騙して…


自分の腕に自身が持ててきた頃に、調べ続けていた父を殺したのがウォーカー会社の中にいるってわかったの…


表の世界でも家具の有名なメーカーだったから、こっちの世界にいるのに驚いたわ




私はちらりと彼を向いて妖しく笑う。

けれどアレンは少し硬い表情で私を見つめるばかり。

私は苦笑して、再び深紅の天井を見上げて話し出す。


「酷いと思ってるけど、一応私のお父さんだったし、ウォーカー家の御子息のバースデーパーティーに私も出席した…






そこで、私は出会った。

天使のような人に…



何にも汚れない、寄せ付けない無垢な瞳を持った人………父の仇だと言う事も忘れて私はくぎづけになった。


でも、その人はこの世界では確かな高位の人間。

まだまだ未熟な私には遠すぎる存在だった…




だから、この世界を渡り歩いた。彼の………貴方の視野に入るために…」





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