第11章 INNOCENT SORROW ラビ切甘裏
今の自分の気分は最悪だった。
せっかくと一緒に過ごそうと思っていたのにあの光景を見て、そして話題の内容を聞けばだんまり。
まさか、浮気?
「ラ、ラビには関係ないわ」
「なっ」
顔を背けて言い放ったに沸々と腹辺りから何かどす黒いものが上がって来た。
これは
「ふ~ん、アレンと浮気か」
なんだ?
「え?」
「恋人の俺には言えない事、それってつまり浮気だろ?」
それしか考えられない。
「違うわよ!、本当にそんなんじゃ」
「じゃあ、なんで部屋の前にいたんさ?大方部屋でヤってたんだろ?」
冷めた目で自分を見下ろすラビ。
こんな彼、今まで見たことない…
背筋が凍るような視線に、は青ざめた。
「ち、違う…」
「じゃあ部屋ん中点検してもいいよな…?」
今の彼に何を言っても無駄だと悟ったのか、は無言で自室のドアを開けた。
部屋の中は年齢相応の少女の部屋で、前に訪れた時と何等変わりなかった。
それでも、満足のいかない様子のラビは部屋に踏み込み、辺りを見回した。
「ほら、何も変わってないでしょ?大体私が浮気なんてするわけないじゃない」
これでわかってくれた、とラビを見る。
「私はラビ一筋だもの」
「じゃあ、今させてくれさ」
「え?っわ」
突然視界が反転し、鈍い衝撃と共に目を開ければ、ラビと目が合っていた。
「え…?」
彼の背後に見馴れた天井が見えたので、今自分はベッドに寝かされているのだとわかった。
「なに、を…」
「俺の事好きだったら、ヤらせてくれるよな?」