第11章 INNOCENT SORROW ラビ切甘裏
(この時間だったらは部屋だな…)
時計は昼過ぎを指していた。
ラビはエレベーターを使っての部屋がある階にたどり着いた。
迷路のような階だが、なんでも記憶することのできるラビにとっての部屋にたどり着くのはたやすい。
後この角を曲がればの部屋がある通路。
すると、前方から二つの声が聞こえて来た。
(…?)
「うん、それで…」
「元気出して下さい。僕から言っておきましょうか?」
と、アレン?
そこにいたのは自分の恋人と、同じエクソシストのアレン。
自分より年下のが、歳が近いアレンと仲が良いのは知っている。
けど俺っていう彼氏がいるのにこんな所で話してるなんておかしいだろう?
普通談話室とかだったらまだ許せるけど。
「あ、ラビ」
「ラビ…?」
角で突っ立っていた自分に気付いたアレンは慌てるでもなくそう言った。
ましてやに何か耳打ちしてその場を去って行った。
残されたラビとの間に沈黙が降りる。
「帰って、来てたんだ。今日はお休み?」
どこかぎこちない様子なのはすぐにわかる。
けれど、それより―――
「アレンと、何話してたんさ?」
少し低めのラビの声に、はえ?と、とぼけるように首を傾げた。
ツカツカとに歩み寄って、その細い腕を掴んだ。
「とぼけんなよ。何話してたんさ?俺に言えない事なのか?」
そう強い口調で言うと、怯えたようには揺れた瞳で自分を見つめて来る。