第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
「アレン君はやっぱり優しいね。でも、今は自分が何をしたいか…考えて…
あなたが何処へ行って、誰に何を言いたいのか…
もう答えは出てる筈よ」
リナリーはそっとアレンの頬に手を添えた。
「アレン君…いつまでも過去に囚われないで。
あなたは十分後悔して、苦しんだ…
もう、自分を許してあげて…」
アレンはリナリーの細い身体を抱きしめた。
傷つけた、自分が傷つけた少女…
けれどなおも背中を押してくれる少女…
「ありがとう、リナリー…」
アレンは服を着直すと、振り向かずに駆け出した
もう、迷わない――…
カーン…カーン…
「っブーケ早く投げるさっ」
教会の扉が開けられ、そこにはありったけの歓声が押し寄せていた
エンゲージリングを交換し合ったと神田は、顔を見合わせ微笑んだ。
そしては手に持ったブーケに目を落とした。
ピンク色の薔薇で飾られた美しいブーケ。
はこれを受け取った人に、感謝の言葉を贈るつもりだ。
「行くよっ」
高く、
高く思いきり空へ飛ばした…
「、必ず幸せにするからな」
「…うんっ」
空へ視線を上げる人々には、新郎新婦の甘い口付けなど目に入らなかっただろう…