第1章 夏は短し恋せよ男児
離れるとと迷子になるからって、手を繋いで
歩きながら周りを見て回る。
そら「木兎さんなら
騒ぎの中とか、食べ物系だよね?」
月「大体そんな感じデショ。
しかもあの髪だから、余計に目立つはずなんだけど」
全然見つからない。
そら「ちっちゃい子の声がする!泣いてる系の!」
声のする方へ急ぐと
月「ちょっと、そら。いきなり走り出さないでよってアレ木兎さん?」
そら「うん、木兎さんで間違いないと思う…」
木「もー泣くなよ!俺がいるだろ〜?
すぐ見つけてやるからな!」
ちっちゃい男の子を肩車して男の子の言う
お母さんとお父さんを探してるらしい。
木「泣いてちゃ何も見えねーぞ!
自分で見つけれなきゃ俺にも見つけれねーぞ!」
月「あんな子供に何言ってるの。
まだ意味わからないデショ」
そら「うん、だけど、あの子、笑った」
両親を探すのをまるで宝探しみたいに、
木兎さんと一緒に笑って探してる。
そら「とりあえず、2人には連絡したからすぐに来てくれると思う。
私達は木兎さんのこと手伝お」
蛍君は渋々付いてきてくれた。
そら「木兎さん、探しましたよ」
木「おー!そら!
俺も探してた!さっきの場所、全然見つからなくてさー」
私達が重大な事と捉えていた事をあっけらかんと言ってるのに
何故か憎めないのが木兎さん。
木「それより、こいつ迷子!」
肩車した男の子を下ろしながら言う。
木「母ちゃんと父ちゃんが見つかんないらしくてさ」
男の子と目が合う。
そら「お名前は?」
祐「ゆうき」
そら「そっか。カッコいい名前ね。
今日お母さんとお父さんはどんな髪型とか服で来てた?」
ゆ「お母さんはお姉ちゃんと同じ髪の毛で、長さは顔くらいだよ
お父さんはお兄ちゃんと同じ位おっきくて、
そっちのお兄ちゃんみたいなメガネつけてるんだよ」
そら「ゆうき君、教えてくれてありがとうね。
あともう2人お兄ちゃんが来るんだけど、待っててもいいかな」
ゆ「うん、待てる」
そら「ありがとう。じゃあ、ここは暑いからあそこの休憩室行こっか」
うん、と頷いた小さな頭をよしよしと撫でると、ゆうき君はニコニコと笑った。