第6章 澪のような君へ
Side B
「A地点、全滅です!」
「興味すら抱いてもらえません!」
夜「何であいつらあーなんだ!
肝試しの趣旨分かってんのか!?」
雑音混じりのグループ通話は次々に人が抜けていく。
怖がりもしないためどんどんチェックポイントを通り過ぎていく。
夜「もうこうなったら俺達も行くしか…!」
海「そうしたら本部に人がいなくなるから大変だろ?」
夜「そうか…
あー!もどかしすぎんだろ、これ!」
まぁまぁ、と海はなだめるが全然気は収まらない。
海「それにしても…
全部スルーしてる割には遅くないか?
犬山達で45分ちょいだぞ?
普通に歩いて30分のところもう1時間は歩いてるぞ??」
夜「そうか…。なんか変だな。
あ、雨だ…」
パラパラと頬を濡らす雨はどんどん雨脚が強くなっている。
海「とりあえず旅館に戻ろう。
2人も戻ってるかもしれないし」
夜「だといいけど」
何だか嫌な予感がして暫く森を見つめていた。