第6章 澪のような君へ
無言…
スタートから五分。
何も話さずただただ無言で歩く。
黒「なぁ、そらってこえーもんないの?
お化けとか、暗闇とか」
そら「肝試しは別に怖くないかな。
中身は人間だし、暗闇は怖がるもんじゃないし」
黒「へぇ。スゲーな、お前。想像の女子って
キャーキャー言ってるもんだと思ってた」
そら「私、そんな風に可愛くキャーキャー言える女じゃないから。
唯一のマネージャーがこんなんでごめんなさいね」
やべ、間違えた?
こういうのそら、嫌いだったっけ…
黒「お前はそのままでいいんじゃね?
おまえらしいの、俺好きだし」
んんんんんん!
何いってんの!俺!
一言だけでよかっただろ、絶対!!
慌てた頭で冷静な考えなんて浮かばなくて。
変にフォローしようとして涼しい顔して内心バタバタ。
コイツはなんにも言わねェし。
どうすっかなって考えてたのにこいつは小さく吹き出す。
黒「なんで笑うんだよっ!」
ジッとこっちを見て目を合わせて、爽やかに笑う。
そら「今日の黒尾、変」
クスクスと口元を隠して笑う。
その姿に一瞬見惚れてしまって。
黒「うるせーな、先輩もこういう時だってあんの
そらさんよー」
そら「はいはい」
いっつも冷静なくせに優しい面も出したり、
クスクスと笑う。
そのギャップも好きっつうか、
もっと知らないとこみてみたいっつうか。
だから…一緒にいてずっと見ていたいと思うんだよなぁ…