第2章 月夜に咲くのは甘い花
『それは教えられません!だって、私だけのヒミツにしたいから・・・』
はは・・・やられた。
西「なんだよ、結局ラブラブじゃんか」
澤「拗ねるなよ、西谷・・・」
一瞬期待した俺も、ここにいるんだけどね。
田「そんな事より!花火終わっちまったじゃねぇか!結局ここまで来て縁下のイチャイチャを眺めて終わりかよっ!」
西「あっ、龍!」
・・・眺めて?
「そう言えば、って言うのも変だけど。田中達はいつここへ来たんだ?」
俺の放つ言葉に、誰もが口をつぐむ。
そして、みんなの顔を見回してもだ誰も目を合わせない・・・
はぁ・・・と、わざとらしくため息を吐いてみる。
月「綿あめ・・・の、辺り」
澤「月島・・・」
月島がポツリと零し、大地さんが驚きの声をあげる。
綿あめ・・・って。
かなり最初の頃・・・から?
『縁下さん・・・』
そらは俺を呼びながら、ベンチの背もたれに突っ伏してしまった。
「黙って見てるとか・・・」
言いながら顔が熱くなり、俺も横を向いた。
菅「縁下が、あんなに情熱的だとは知らなかった」
「スガさん?!」
澤「あ~、まぁいいじゃないか、もう。縁下が池田を大好きだって事は存分にわかったから」
・・・そういう問題じゃないですよ。
菅「なぁ!どっかで花火買ってみんなでやらない?清水も少しなら平気?」
その場の空気を変えるかのように、スガさんがそんな発案をする。
清「帰り、誰か送ってくれるなら・・・平気」
田・西「「潔子さんのお供は我らが!!」」
清「・・・・・・・・・澤村、頼んでいい?」
澤「わかった、家まで送るよ」
俺達の承諾なしに、話がどんどん進んでいく。
月「みんなで花火とか・・・」
いかにも面倒臭いという顔をして月島が呟く。
澤「じゃ、行くか!もちろん、お前達も絶対参加、だぞ?」
大地さんが俺とそらにも決定事項だ!と言わんばかりに声をかけた。
「仕方ないね、そら?」
『・・・そうですね』
顔を伏せたまま、そらが答える。
花火買いながら戻るぞ!とスガさんがみんなを手招きして、ゾロゾロと歩き出した。
「俺達も行こうか」
手を差し出して、そらがそれを握り返す。
西「力はイチャイチャ禁止だぞ!」
田「そうだ!リア充め!」