第2章 月夜に咲くのは甘い花
~縁下side~
そっとそらから離れ、お互い見つめ合う。
明かりがさしては消え、消えてはまた光る空の輝きに照らされながら、目の前にいる幸せを感じていた。
西・田「「潔子さんから絶対有り得ない頂きましたぁ!!」」
澤「あっ、バカ!大声出すな!!」
『え?!・・・い、今の・・・って・・・』
「あぁ・・・」
間違いなく、田中と西谷・・・そして大地さんだ。
心配いらないよ、と軽く頭を撫でて2人で声がした方へと目を凝らす。
・・・全員いるのかよ。
「まったく・・・いつからいたんだ・・・」
『見られてた・・・とか?』
片手で顔を隠そうとするそらの手を掴み、そのまま包み込んだ。
「どうせ見られたんなら、もう1回見せとく?」
『え?!そ、それはちょっと・・・ムリ・・・です』
だよねと笑いながら、俺はベンチから立ち上がった。
「田中、西谷、お前ら騒がしいぞ」
その場から動かずに、声だけかける。
西「騒がしいってなんだ!騒がしいって!」
木「そうだそうだ!このリア充め!」
・・・それは何か違うだろ木下。
澤「お前ら騒ぐな!」
大地さんの一喝で全員が黙る。
澤「縁下・・・気が済んだか?」
「は・・・えっ?どういう意味です?」
澤「そういう意味だ」
ニヤリと笑いながら俺とそらを交互に見ては、また笑う。
「はぁ、まぁ・・・」
正直に言えば、みんながいなかったら多分・・・とは思うけど。
そこはさすがに大地さんに言えるワケもなく。
菅「あ~あ・・・そらちゃんは、いったい縁下のどこが好きなんだろ。オレだって縁下に負けないくらいいいヤツだと思うんだけどなぁ」
・・・あのねぇ。
旭「あはは・・・そういう事を言うスガにはない何かじゃないのか?」
西「そうだぞそら!縁下よりオレの方がワイルドで男らしいだろ?」
スガさんと西谷が、身を乗り出すようにそらに詰め寄っている。
・・・あの2人いつの間に!!
菅「なぁなぁ、教えてよそらちゃん!」
『・・・私が、縁下の好きなところ・・・ですか?』
西「そう!それな!」
これは・・・俺もちょっとだけ、いや、多いに興味がある事だけど。
『それは・・・』
菅・西「「それは?!」」
ゴクリ・・・と緊張が走る。