第1章 夏は短し恋せよ男児
電車に揺られて待ち合わせ場所へ。
東京来たって言っても、東京のに隣接する県もすごく洒落てるのかとか思ってたけど、
思ったより普通で、拍子抜けだ。
黒「おー、来たなー」
日陰でパタパタと団扇で仰ぎながら手を挙げた。
木兎さんも赤葦さんも居て、今更だけど東京来たなって。
そら「お疲れ様です。お久しぶりですね!
それにしても今日はあっついです」
木「そーだよな!暑い!
でも、丁度いいかもな!」
木兎さんはもうサングラスを付けたり、浮き輪を膨らませていたり…
海に行く気満々だ。
赤「そらさん、持ちますよ」
ひょい、と断る間なんてなく自然に私の鞄を持つ。
そら「いやいや!先輩に荷物なんて持たせられないです!」
大丈夫、って赤葦さんは言うけれど申し訳ない。
赤「バスと徒歩で20分くらいだから、大丈夫だよ」
男にやらせとけって黒尾さんも言うから
頭を下げてお願いした。
トンネルを歩き、アスファルトしか見えなかった道に
海も砂浜も見えてきた。
木「来たぜ!海!」
ザッパーン!!と背景に高波を背負って。
完全に海の男?みたいな感じだ。
黒「木兎、落ちんなよー。赤葦、月島、
そら。着替えたらあの店前な」
こくりと頷くと更衣室へ。
着替え終わり、例のお店へ向かうともうそこにはみんなの姿が。
そら「すいません、お待たせしました」
黒「いーや、俺らもついさっきだから。
あとな、そら……
オトコノコの健全上ちょーと刺激が強いからこれ羽織って」
渡されたパーカーに袖を通してみると、
捲らないとダラーとなってしまう。
身長差的にしょうがないっか。
そら「黒尾さん、ありがとうございます。
じゃあ、海行きましょうか!」
適当にパラソル刺して、ブルーシート敷けば準備完了だ