第2章 月夜に咲くのは甘い花
「木下!お前なんて爆弾落とすんだよ!・・・違うからな!全然違うから!」
木「え?違うのか?池田さんを彼女に出来て羨ましいなって言ったんだけど」
・・・・・・え?
「紛らわしい言い方するなよ!俺はてっきり、いかがわしい方の・・・あ、いや・・・」
みんなの視線が、痛い。
清「縁下、いかがわしいって、なに?」
「何でもありませんよっ!」
清水先輩まで、何を言い出すんですか!
澤「縁下・・・俺の目の黒い内は許さんぞ?」
「や、許さんぞって。父親ですか!!」
ひとり慌てる俺を、そらを含めて全員が一斉に笑い出す。
「そらまで笑う事ないだろう・・・」
『ゴメンなさい。でも、縁下さんがそんな風に慌てるのが珍しくて』
「全く・・・頼むよ・・・」
小さく息をついて、そらの頭にぽふっと手を乗せた。
菅「そろそろ向かわない?」
澤「そうだな、時間もいい頃合だし。池田さん、今日はありがとう。場所を提供して貰って、助かったよ。アイツらが特にね・・・」
大地さんがガチ勉強組に目を向けながらそらにお礼を言う。
そらもそれに対して、特別な事はしてませんから、なんて微笑む。
・・・あんまり微笑みを振り撒くなよ。
そらの微笑みで敵が増えるんだからさ。
澤「じゃ、みんな花火大会へ向かうぞ!支度は出来てるな?忘れ物はないな?」
・・・父親?
菅「場所を借りたんだから、ゴミとか置いてくな~。ちゃんと持ち帰れよ?」
・・・母親?
「「~ッス!!」」
・・・子供達?
何だか規模の大きな親子図に、俺は笑いながらそらの家を出た。