第2章 月夜に咲くのは甘い花
~縁下side~
清水先輩が来てから、そらと一緒に部屋に上がって行った。
そら最後まで浴衣を着るのを迷っていたけど、清水先輩からせっかくの花火大会なんだからと言われ、着ることを決めたようだ。
で、俺達はというと。
清「澤村、池田さんの浴衣手伝って来るから、入口で仁王立ちしてて。例え縁下だとしても、ここから出さないで。男子禁制」
そんな事を言われたら、誰ひとりとしてリビングから出ようとする勇者はいない・・・
そろそろ、かな?
階段を降りてくるような音が聞こえて、思わずドアに目を向けた。
清「澤村、開けて」
清水先輩の呼び掛けに、大地さんがドアを開けた。
「「 おおっ!! 」」
二人並んだ浴衣姿に、みんなが一斉に声を出す。
浴衣に似合うように軽くまとめあげられたそらの髪も、よく似合ってる。
田「潔子さんの浴衣姿・・・」
西「龍・・・泣くな!泣いたら涙で潔子さんの麗しい姿が滲んでしまうだろう!」
・・・めんどくさい2人だな。
日「池田さん!すげーかわいいよ!」
どんな時でもスピードはピカイチだな、日向・・・
『あ、ありがとう日向君・・・』
影「馬子にも衣装・・・」
おいっ!
山「池田さん、凄い似合ってるよ。ホント可愛い!メチャメチャ可愛い!」
月「山口、うるさい」
山「ごめんツッキー・・・」
ここはここで、微妙な面倒くささだな。
そして、油断大敵なのが・・・
菅「そらちゃん・・・いつもより1000%増しで可愛い~!!」
澤「ストーーーーップ!!」
菅「何だよ大地!離せって!」
ナイス!大地さん!
澤「せっかくの浴衣が気崩れたら困るだろう・・・それに、ほら・・・眼光鋭いのがコッチ見てる・・・」
縁「え?俺ですか?!」
一気に集まる全員の視線に、少したじろぐ。
木「いーよなー、縁下は。こんな可愛い子をモノにしちゃってさ?」
縁「・・・は?」
西「マジか!力!オレはそんな報告受けてねぇぞ?!」
旭「え、縁下?ちゃんと責任取らなきゃ・・・その、アレだ・・・」
月「へぇ・・・縁下さんってやっぱり手が早いんデスネ・・・」
ちょ、ちょっと待て月島?!
やっぱりって、どういう事だよ!
いや違う!
今はそんなこと突っ込んでる場合じゃ!