第2章 月夜に咲くのは甘い花
縁「言い訳はいらない。だいたいそらは1年生なんだぞ?日向達ならまだしも、お前達は2年だろ!プライドないのかプライドは!」
西「そうは言っても・・・なぁ、龍?」
田「そうだぜ縁下!武ちゃんだって言ってるじゃねぇか!お嬢は1年の中でも成績はトップクラス!進学クラスの奴らより上位だ!ってよ」
武田先生・・・いくら何でもそれは褒め過ぎです・・・
西「そうだそうだ!ズルいぞ力!独り占めすんな!」
縁「うるさい!宿題やってないヤツの話は聞かない!」
あはは、話が拗れてきた・・・
月「男のヤキモチとか・・・」
縁「月島、聞こえてるから」
月「ちなみに今の縁下さんの理屈だと、僕は宿題終わってるんでベタベタしても・・・いいんですよね?」
言いながら私を引き寄せ、わざと煽るように腕に閉じ込める。
縁「あぁもう!みんなそらから離れろって!」
鶴の一声・・・とまでは行かないけど、縁下さんの叫びによって蜘蛛の子を散らす様にみんなが離れた。
縁「全く・・・油断も隙もない」
『多少の事は、私は平気ですよ?』
側に寄り添い、小さく告げる。
縁「そらが平気でも、俺が全然平気じゃないんだよ」
さり気なくポツリと言って、すぐにみんなの方へと歩き出す縁下さんは・・・少し耳が赤くて。
そんな事でさえ、ほんのちょっと・・・私は嬉しかったりする。
・・・で、結局は宿題組が多いのと、それをやるのに場所が確保出来なかったって事で。
宿題終わってないと武田先生から部活禁止令が発動しそうだったから、澤村先輩達の苦渋の決断により練習中止にして、場所は我が家のリビングを開放して貰ったんだけど・・・
さすがに体格のいい男子バレー部員全員が入ると、狭い・・・かも。
テーブルセットもソファーセットも、満員御礼状態で定員オーバー気味。
キッチンカウンターでは、教えるのに匙を投げた月島君が・・・雑誌を読め始めちゃってるし。
人数の多さからしてきっと、田中先輩達は暑いって言ってるんだと思う。
それに、東峰先輩の宿題を見張ってる澤村先輩や菅原先輩に至っては、俺達は教えるだけだからなんて言って、床に直に座ってるし。
せめて、ミニテーブルと扇風機くらい、追加して持って来ようかな・・・
両方とも、私の部屋から持ってくればいいだけだから。