第1章 夏は短し恋せよ男児
「変質者発見。何してんの、そら」
あ、声黒尾さんだ。
フードを取られそうで、ギュッとフードを抑える。
そら「特に何もないですよ」
黒「絶対嘘だな、なんかあんだろ絶対」
顔は見てないけど絶対ニヤニヤしてる。
知らんぷりして、先ほどの場所に向かう。
黒「あー、アレだな。木兎に家族作るか、的な事言われて、恥ずかしがってんだろ」
木「え!なに!そら本気にしてくれたの!」
木兎さん走ってったんじゃないデスカ?
赤「そら木兎さんと結婚するの?
絶対俺の方がいいよ。俺と結婚して?」
月「何言ってるんですか。遠恋はそらには無理でしょ。
僕なら、ずっと側に居てあげれるけど」
そら(何なんですか!今日!
何で皆して告白紛いの事言うんですか!
、嬉しいですけど!!恥ずかしいんですよ!!!)
更にフードを深く被るそらでした
脳内バタバタで、心臓バクバクでどうしていいか分からなくて。
そら「なんなんですか、皆さん…。
皆してそういう事言う…。
恥ずかしいじゃないですか…」
小声でボソッと言ったのに、赤葦さんは
赤「恥ずかしいって事は、それなりに意識してくれてるの?」
図星だ。
何でこう、いつも皆当ててくるの。
どう返していいか分からないじゃないか。
そら「そりゃ、容姿、行動、性格。
全部かっこいいから、しょうがないじゃないですか!
黒尾さんは、よく見ててくれて、失敗しそうになるとフォローしてくれるし!
木兎さんは、なかなか前に出れない私を巻き込みつつ場を回してくれるし!
赤葦さんはほんと、紳士すぎるんです!
違和感なく、俺がやるから休んでてって言ってくれるし!
蛍君は言い方はキツイ様に言ってるけど、
なんだかんだ言いつつ、絶対やってくれるし、ありがとって一番言ってくれるんだよ!
そんな人達に言われたら意識しちゃうじゃないですか!」
気付いたら、フードなんて取れてるし、
すごく喋りすぎだ。
そっちの方が恥ずかしくなってきた。
そら「すいません!ベラベラと!」
無反応が怖くて顔を上げた。
今度は彼らが赤面する番だった。