第8章 おねがい♡サマー仮面【カラ松】
「ちょっ! 何? どう見ても変質者でしょ!? スマホ返して!」
「いや、愛菜ちゃん、ちょっと落ち着いて話そう。まず、警察はだめだ。シャレじゃあ、済まなくなる」
私は、口を尖らせた。
「だって、『カラ松くんじゃない』って言うから……」
「オフコース、アイムカラ松! でも、今はサマー仮面の設定! 察して! 感じて!」
カラ松くんが自身の胸を叩きながら主張する。
「あーうん……暑いから何かもうめんどくさいや……で、サマー仮面とやらはどうやって家に入ってきたの?」
サマー仮面はフッと笑った。
「すまないが緊急事態につき、ドアの鍵を壊させてもらった。サマーに犠牲は付き物だから、な……」
「はあっ!? やっぱり警察!」
私は慌ててスマホを掴む。
「レットイットゴーサマー!」
サマー仮面は叫ぶやいなや、私の手からスマホを叩き落とした。
もう、何なの? いい加減イラッとする。私は、サマー仮面を睨みつけた。
「あのね、カラ松くん、いくら同級生だからって、女性の一人暮らしの部屋に勝手に入り込むなんて非常識だよ。もしかして、同じクラスだった他の女の子たちの家にも勝手に入ったりしてないでしょうね……?」